1.09.2017

寒波と共に

ヨーロッパは、年明けからきびしい寒波に見舞われています。
わたしの住む街ペジノクでは、週末の日中気温がマイナス10度ちかく、夜間はマイナス15度前後にまで下がりました。地域によっては、マイナス20度以下になったところもあります。こんな極寒の冬はひさしぶりです。
ハルのお散歩コースの小川も表面が凍りつきました。



1月7日は、なんと!この厳しい寒さの中、日本に高校留学していた娘が、プログラムを終えてスロヴァキアに帰ってくる日。
ちなみに、7日のヨーロッパ気温図は以下です😄


数字が小さくて読みづらいとは思いますが、北極から非常に冷たい空気が、ヨーロッパになだれ込んでいる様子がおわかりいただけると思います。
幸い当日は、天候は良好で、大雪や吹雪になることはなく、娘を迎えに空港まで高速を走る車も、フランクフルト経由でウィーン空港に到着した飛行機も、混乱することはありませんでした。

娘は,去年の3月末から10か月間、日本の広島市の高校に通っていました。
YFU(Young for Understanding)という高校生留学派遣プログラムを支援する国際交流団体を通し、スロヴァキア人としての留学です。
このプログラムは、国を選ぶことはできても、国内のどこへいくのか、どの高校で勉強するのかは、留学生を受け入れてくれるホストファミリーの条件に一任することになります。
七海子は、広島市のホストファミリーのお宅に暮らし、その家の娘さんが通う広島市立舟入(ふないり)高校で、一・二学期間勉強しました。
日本の印象や体験など、どんな話が聞けるのか、わたしはとても楽しみにしています。おもしろい話があったら、このブログでも、すこしずつ紹介していきますね。お楽しみに。



ウィーン空港の入国ゲートで今か今かと待っていると・・・・・・・・あっ、出て来ました!


なんだか、出発前とちっとも変っていないなぁ・・・・・・。
外見だけかな・・・中身はどうだろう・・・・・・。

並んでいっしょに出てきたのは、やはりYFUのプログラムで大阪に留学していたスロヴァキア人のカトカさんでした。帰りの飛行機のなかでずっとお喋りしていたそうです。
ふたりとも無事帰国して、よかった、よかった。

カトカさんは迎えにきていたご両親と、これからブラチスラヴァ中央駅を夜中に出る寝台車に乗って、東スロヴァキアの街に帰るのだそうです。私たちの車にいっしょに乗ってブラチスラヴァへ行き、駅前で別れました。
ブラチスラヴァ中央駅からペジノクまでは、車で30分です。

家について、夕ご飯を食べた娘は、荷物もあけず、早々に自分の部屋のベットで眠ってしまいました。夫とわたしは、台所ですこしおしゃべりしながら、ホッとした時間を共有しました。

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翌朝は、時差ぼけで早朝に目が覚めた娘と、10か月ぶりにいっしょにハルの散歩。
早朝の気温は、マイナス13度でした。



野原で凍ったローズヒップの実を食べている娘です。
ひさしぶりに野原で食べるスロヴァキアの実り。どんな味がしたでしょうか。


雪の上を歩いていると、ハルの足のウラの毛に雪玉がついてしまいます。足のウラの熱で雪が溶け、それが小石のようにかたまってくっついてしまうのです。。散歩の途中で、ハルが困ったような顔をして動かなくなったら、助けてあげなければなりません。でも雪玉はなかなか取れません。無理にひっぱると痛いらしいので、手の熱で溶かしながら取ってあげます。
でも、あんまり気持ちの良いものではないみたい・・・・。


きびしい寒さの中、小鳥のエサ台にはいろいろな種類の鳥がやってきます。
シジュウガラはひまわりの種が大好き。スズメは雑穀をついばんでいきます。
そして、このところの厳寒対策で、刻んだ牛脂ものせてみると、カササギが見つけて飛んできました。2年前からこの近所に住みだした家族のカササギです。そんなに一度にくわえて欲張りだなぁ。




でも、今週の水曜日にはまた気温が下がるらしいです。
お互いしっかり食べて、この寒さを乗り切ろう!(って言ってると体重増えてしまうんですよね)








1.01.2017

2017年1月1日


2017年が明けました。
日本で初日の出をかざった太陽が、スロヴァキアに8時間遅れで到着しました。



大晦日のカウントダウン後、日付がかわり、おきまりの花火大会でスロヴァキアの2017年が明けました。ペテルとわたしは、友人のイゴールさん宅のホームパーティーによばれて、友人たちといっしょに2016年が暮れてゆく時間を過ごしました。


そして、夜が明けて・・・・・


朝はいつものようにハルの散歩です。外気温はマイナス5度。わたしはもこもこ重ね着をし、帽子やマフラーでしっかり防寒し外にでてきたのに、犬は室内と同じかっこうで飛び出していきます。よく考えると、裸足なのですよね、犬って。野原につづくカチコチに凍った道を元気に走ってます。

霧につつまれた野原は、霜のついた木や枯草がガラス細工のように見えます。




野ばらの実、ローズヒップも凍っています。



駆けまわっているハルの耳の毛にも霜がつきはじめます。


走るたびにヒラヒラゆれるシッポの毛も霜つき。
それでも洋服なしに元気に走り回れるって、ミラクルです。でも、人間だって顔は防寒しなくても、室内と同じむきだしで大丈夫です。鍛えれば大丈夫ってことでしょうか・・・。


野ばらの枝に鳥が止まっていました。


スロヴァキア語でドロスト(Drozd)、和名は、クロウタドリです。英語だとブラックバード。ビートルズの楽曲の題名にも使われているこの鳥は、とても歌がじょうずです。複雑な鳴き方をするし、九官鳥のように他の鳥の歌のメロディーをまねることも得意です。
写真は雄鳥。雌は灰がかった茶色をしています。春になって人々が畑を耕しはじめると、その後について回り、土の中からミミズをつまみ出していく、愛嬌のある鳥。
今年は酉年。ドロストくん、冬のきびしい寒さを乗り切ってね。

友人宅でたのしくおしゃべりをしながら過ごした大晦日でしたが、わたしは内心、何事も起こりませんように・・・・・・と祈っていました。
去年のこの時期、ご存じのようにドイツのケルンで、集団暴行事件が起きました。大晦日の夜に大勢の若い男たち(大半を難民がしめる)が、新年を祝うために街へとくりだした女性たちに窃盗や性的暴行を働いた事件です。また、12月20日には、ベルリンのクリスマス市場に大型トラックが突っ込む悲惨なテロがおきました。

このような事件がどこかで起きるたびに、これまで、「人道」とか「理想」とかを健気に守ろうとしてきた人々の心にも、ひずみが生じ、軋みだしてしまうような不安を感じます。
今回、大晦日の夜に欧州では大きな事件が起きませんでしたが、残念なことに、トルコのイスタンブールでは、銃乱射事件がおきてしまいました。
わたし自身は、激しく変化していく社会の中で、家族を守りながら、この先、どこまで、どのように生きていけるのだろう。今は理想を抱きかかえているけれど、頭でっかちなわたしは、いつかそれを投げ捨ててしまうかもしれない。


ハルの散歩から家へと向かう途中、教会の鐘の音が聞こえてきました。
日曜日の礼拝に行く人々が、我が家の近くの小さな教会に集まってきています。

野原には、けものが通ったあと、枯草がひしゃげて道のようになっているところがいくつもあります。けものみちというには、まだ充分ではないけれど、そういう場所は動物にも人間にも歩きやすいから、みんなが歩いて、歩いているうちに道らしくなっていきます。
けものも人もいっしょに歩いて、すこしずつ道ができていく。そうやって生きていけたらいいなとわたしは思うのです。
そんな一年になりますように。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。