7.31.2015

31th July


7月最後の一日が暮れてゆきます。
東の空に、まん丸なピンクのお月さまが、あらわれました。
明日から、8月。新しい月もがんばろう。

Empty town


野原のいっかくに、りっぱな道だけが、できあがりました。
街灯も立っています。


何もない、誰もいない町に、交通標識が立っている。不思議な光景。


横断歩道もあるのです。
ハル、ちゃんと横断歩道をわたってますね。

SF映画撮影に格好のロケ地かも。

ブログをはじめて2ヶ月がすぎました。
ひきつづき、どうぞよろしくお願いいたします。






7.29.2015

Partner


写真は、夫のペテル・ウフナールが、巨大な絵を制作している様子です。
これは、11m×3.5mの帆船の帆です。
デンマークでおこなわれているイベントに招待され、公開制作しました。制作場所は、造船工場の床の上です。

滞在期間4日のうち、3日かけて(実質2日強)制作するというハードなスケジュール。それを聞いたわたしは、なんて無茶な企画なんだと、企画側はなにを考えているのだと、呆然としてしまいましたが、ペテルとしては「乗りかかった船」と後には引けず、出かけていきました。
造船所での作業は、日の出ている日中のみです。

1日目、別イベント。
2日目、午前中に、材料購入。午後2時から製作開始。
3日目、一日中制作。
4日目、別のイベント予定をキャンセルして制作。完成後、すぐに空港へ。

同行しなかったわたしや娘は、デンマークから送られてくる写真画像を見て様子をしるしかありません。3日目午前中に上記の写真がおくられてきて、「すごい!」と思い、胸をなでおろしました。
そして、あらためて「アートって、やっぱりおもしろいな」と 思ったのでした。

もちろん制作中のペテルは、きっと、おおきな布の上でひたすら絵の具と格闘しているから、そんなこと考える余裕はないでしょう。だけど、計算ずくにはいかないところでもがく行為から、あっと言わせるような何かが生まれてくるおもしろさ。

この写真を見て、わたしは、ペテルみたいな人がわたしの近くにいてくれて良かったなと思いました。わたしも、もっとおもしろい作品がつくれるようになりたい。


ペテル・ウフナールのHPはこちらから→ http://www.uchnar.sk/en/






7.28.2015

Rain


猛暑もとうげを越したのか、ここ数日は急にすずしくなり、日中気温も20℃くらいです。
 昨日は、やっとすこしまとまった雨が降りました。
外はきつねの嫁入り状態なので、娘とちょうど遊びにきていたお向かいの女の子といっしょにバルコニーへ出てみると、期待どおり、空には大きな虹がかかっていました。


マンガにでてきそうな、ほっぺたをふくらませた雲も。





 そして、今朝の空はなんだかもう秋空のようです。



近所の教会に朝日があたる姿も、今朝はすずし気です。

マンションのひさしに、たくさんのツバメたちが止まっていました。
毎年、8月末ごろになると、こんなふうに、ツバメの群が電線にずらーっと並んで止まっている姿に出会います。みんなが集まって、南へ飛び立つのです。翌日には、風景の中からツバメの姿がきれいに消えていて、秋が近いことを知り、切なくなります。
だから、今朝のようにツバメたちが集まっているのを見て、わたしは、どきっとしてしまいました。
今日はまだ7月の末です。まさか、もう出発ではないよね。










7.25.2015

Important things


© Nana Furiya

わたしは・・・・・大事なものを何度も何度も手渡されているのに、 いつのまにか捨ててしまったり、邪険にあつかってなくしてしまったり、忘れてしまったり、かんたんに別の興味あるものと交換してしまったり・・・・・ちゃんと受け取ってこなかった。
いまごろになって、その大切さに気づいても、もう遅すぎるのかもしれない。時間は無情に流れていく。


Diligence


これを勤勉と言うべきでしょうか。







く、くやしい・・・・・・・・。

そんなにいそいで こっつんこ。
アリさんと アリさんが こっつんこ。

アリさんは、そんな かわいいキャラクターではありません。
ぶつかったひょうしに、おつかいを忘れるような、そんなボケのキャラクターではありません。
おつかいは、けして、忘れません。

雨がふらないから、毎日朝夕、水やりをしながら、日に日にふくらんでいくイチジクの実を愛でているわたし。さるかに合戦のかにのような、わたし。
そのいちじくの木の幹、枝を、毎日、登ったり下ったりしながら、やはり、愛でていたのが、勤勉なアリさんなのです。

もうすぐ食べごろかしら・・・・と楽しみにしていた実をひっくり返したら、この惨状。

えぇ、もちろん食べましたよ。中まで侵入していたアリさんたちを、台所のシンクでザアザア洗い流して。

しかし、どうしたものか、この先。
朝夕の水やりくらいでは、勤勉なアリさんに勝てない・・・というか、アリさんは、完熟するちょっと前にお手つきするのですよね。ずるいよ(泣)!




7.22.2015

Peter's exhibition


明日からはじまるペテルの展覧会の設営作業を、ブラチスラヴァの会場:BIBIANAに見にいきました。

今回の展示テーマは、『ガリバー旅行記』。会場には、絵本の原画をかざるだけではなく、夏休み中観にくる子どもたちが参加し楽しめるような、展示工夫がされています。
上の写真は、壁よりすこし大きすぎたパネルについて、業者に指示をだしている、ペテル(左)です。


作業をしているのは、演劇の舞台装置を作る業者の人たちです。
巨人の国の女王さまの手が・・・・。赤いマニキュアがドクドクしい~。
その左、壁に立てかけられているのは、本の見返し原画です。

ペテルは、大学卒業後、はじめて手がけた絵本『ガリバー旅行記』で、BIBの金のりんご賞を受賞しました。あれから15年以上がすぎ、彼ももうスロバキアの中堅画家です。


まずは、会場に取り付けてみて、それから調整します。これで大丈夫かな?
 明日のオープニングまで、作業は間に合うかな?


ペテル・ウフナールの展覧会は、7月23日~10月18日まで、ブラチスラヴァのBIBIANAで開かれています。


BIBIANAのHPはこちらから→  http://www.bibiana.sk/





7.21.2015

Record


スロバキア、チェコ、ドイツ、オーストリアに記録的な暑さと空気の乾燥がつづいています。
こんなに雨のすくない猛暑の夏は、ドイツでは40年ぶり。スロバキアでは、115年ぶり、だそうです(115年前って、1900年ですよ。記録が残っているのかな?)。

今日も、日中気温が35℃前後まであがりました。
空気が乾燥しているので、日差しは刺すように熱いです。ふつう空気が乾燥していると、日陰は涼しいはずなのに、空気全体が熱っぽく、汗がふきだしてきます。

一昨日は、夕方、こんな入道雲があらわれて、「とうとう雨か!」と期待が高まったのに、明け方お湿りていどの雨がふっただけ。



雨よふってくれー・・・・・・・。

今朝も、雲ひとつない快晴です。





 

7.20.2015

FROM HOPE


今週の金曜日、7月28日から、札幌のKita:Karaギャラリーで、チャリティー企画「FROM HOPE展」がはじまります。去年の夏、札幌で「手から手へ展」がひらかれた時に、関連企画のひとつとして行われたのがはじまりです。今年は、第2回目の「FROM HOPE展」です。
北海道ゆかりの作家さんを中心に19人の絵本作家が絵とメッセージを展示、販売。そして、収益は「ふくしまキッズ委員会」へ寄付します。

わたしは前回、河童をテーマに絵を展示しました。今年は、きつねにしました。

© Nana Furiya   「祈り」

札幌近辺の方、ご覧いただけたら嬉しいです。

Kita:KaraギャラリーHPはこちら→http://www.kitakara.org/content.php?id=9866

7.19.2015

Power of Life


うわぁー、って思わず声を上げました。
だって、この木、約1ヶ月前には、こんなだったのですから。


しかも、切り株のまわりにも、みしみしみしみし・・・・・と。
道のわきにも、みしみしみしみし・・・。


たくさんのあたらしい芽が、こんな若々しい葉っぱをふりあげながら、みしみしみしみし・・・・・・・・・・伸びつづけています。
切られたって、負けないぞ。そんな命の底ぢからが、、地面の底から、聞こえてくるようです。

その姿は、今、日本で「戦争はいやだ。平和を望む」と、声を上げている人たちの姿に重なって見えます。
みしみしみしみしみしみしみしみし・・・・・・命の力が広がりつづけている。あきらめないで・・。







7.18.2015

Blessing on today


ここ連日、日中気温35℃をこえる真夏日です。
ハルの早朝散歩もすずしさを求めて、いつもより1時間はやく出発。そのおかげか、今朝は足元のヘビ、頭上のコウノトリに遭遇できました。

水彩画のような野原。(ほんとは、雨がすくなくてドライフラワー状態なのだけど。)



わが家のいちじくの木に立派な実が熟しました。
木を植えて、5年くらいになりますが、こんな立派な実ははじめて。


中の赤みはうすいですが、味は充分甘いです。
気候変動のせいなのか、最近では、スロバキアでもいちじくが露地栽培できるようになっています。これまでは、実がついても、おおきくなるまえに、元気を失い落ちてしまうことが多かったのですが、この夏はいまのところ順調です。
それでも、冬は寒さから守るために、防寒の布などを巻くひつようがありますが、去年の冬は暖かかったので、それもしませんでした。
そのうち、レモンも植えられるようになるかな・・・・。




7.17.2015

Blessing


このところ、いろいろあって、気持ちがささくれ立っています。
きのう描いていた絵。なんだか気に入らなくて、部分的に洗いながしてしまいました。

これ、わが家のリンゴ。片手で2個持てるんですよ。今年は雨がすくないから小ぶりです。
でも、一人で一個食べきれないリンゴより、私は好きです。
皮ごとかぶりつくと、甘酸っぱい汁が口の中にひろがります。

小さくても、デコボコでも、リンゴの木からの恵み。
ありがたいです。

7.15.2015

Real words

 
 © Nana Furiya

 
昨日観たインターネット配信のビデオで、わたしは偶然、ふたりの巨匠の涙を見ることになりました。涙を見たというのは、適切な表現ではないかもしれません。おふたりともが、発言中に、涙により、言葉を詰まらせてしまったのです。

その巨匠とは、おひとりは、スタジオジブリの宮崎駿さん。もうひとりは、マラソンメダリストの有森裕子さんです。

私が視聴したビデオの一本は、7月6日に東京で行われた、新国立競技場建設問題に関する講演会(「神宮外苑と国立競技場を未来に手わたす会」主催)でした。メインの講演がおわった後に、主催者から、聴講者のひとりとして会場に来ていた有森さんに、アストリートの立場からとしての発言が求められました。
その発言中、有森さんは涙で声がつまり、数秒、沈黙してしまいました。そして、声をしぼり最後の言葉を出し切り、発言を終え、着席されました。その言葉は次のものです。
「オリンピックが、みなさんの負の要素のきっかけに思われるようなことは、全アストリートの代表ではありませんが、みなさんに全力で応援していただいた経験を持つ一人のアストリートとして、本望ではありません。」

新国立競技場は、あの地域一体の再開発利権や「見栄」という私利私欲にうごかされ、建設費が巨額にふくらんでいます。この建設に対し、専門家やおおくの都民や国民が疑問や不安を抱き、建設案見直しを求める声が上がっているのにもかかわらず、無視され、ばく進している現状です。
有森さんのこの悲痛な言葉も、私利私欲にとりつかれた人たちの耳には、まったく届かないのでしょうか。


もう一本のビデオは、7月13日、東京外国特派員協会の記者たちを、「スタジオジブリ」に招いておこなわれた、宮崎駿さんの会見です。
沖縄のある大事な友人との思い出について語っているときに、涙で声がふるえてしまいました。
「・・・・・・このときの話を思い出すと・・・沖縄の人に、ものすごく申し訳ないとおもっている。」
会見のビデオ視聴はこちら→https://www.youtube.com/watch?v=F_z8FaBU7x0

この会見の中で、宮崎さんはご自分の言葉で、とても印象的なフレーズをいくつも語られています。その中で、わたしにとって最も印象にのこったフレーズは、以下の部分です。
宮崎さんは、ペンで線を描く時には、イギリスの紙「BBケント」を愛用されているそうです。「ぼくにとって、宝物のような」と仰っているほど、長年愛用されてきたその「BBケント」。それが、去年、いつものように、ペンにインクをつけて線を描いたところ、はじめて、滲んでしまった。
「紙が、この1~2年で、急速に悪くなりました。」

そして、宮崎さんは、こう仰いました。

「なにか、世界はもっと根元のほうで、みしみしと悪くなっているようです。」


今日7月15日、日本の衆院・特別委員会で「安保法案」が強行採決されました。16日の本会議でも可決されるようです。
特別委員会で、野党議員からの質問に答える安倍首相の言葉は、まったく答えになっていませんでした。まるで言葉をもてあそんでいるように、ペラペラと扱い、追い詰められると、前政権だった民主党のせいにして非難します。ほとんどの憲法学者の「違憲」という指摘。多くの国民の「よくわからない」という指摘。その言葉に耳をかたむけることなく、ぺらぺらと持論をくりかえし、ウソやごまかしの言葉を平気で垂れ流すだけ。こんな言葉は、聞くに値しません。言葉への冒涜だと思います。

宮崎さんや有森さんは、心の底からご自分の言葉をすくい出すようにして、口にだす。絞り出す。
それが、ほんとうに言葉だと思うのです。

なのに、ほんとうの言葉は,届くべき人の耳に、届かない。